カメラ・レンズの選び方

一眼レフ カメラ

誰に向けて書いたものか

これから一眼カメラを買おうとしている人が,カメラやレンズを選ぶ際に注目すべき点をまとめました。具体的な機種を載せると記事掲載から時間が経つと情報が古くなってしまうため,この記事では時間が経っても変わらない汎用的な判断ポイントについて記載しようと思います。

一眼カメラでスマホでは撮れない写真を撮りたい人,そして予算にはそこそこ余裕がある(20万円程度。最低でも15万円)という人に向けて書きます。

私が何を使っているか

私が初めて買ったカメラはNikonのD7000(APS-C), 現在はD810(フルサイズ)を愛用しています。どちらも一眼レフで,D810は購入してから8年以上経ちますが未だに現役で使えます。APS-Cとフルサイズ(センサーサイズの種類の名称,後述)の両方を使ってきているので,どちらの特徴も把握しています。両方使ってきた立場で,本当にお勧めしたいもの,着目すべき点を書いていきたいと思います。

背景 ~近年の各メーカーの動向~

  • 一眼レフはNIKONとCANONの2強。これは長年動いていません。
  • 入門用のミラーレス一眼はSONY(αシリーズ),オリンパス(PENシリーズ,OM-Dシリーズ),Panasonic(Lumixシリーズ)、FUJIFILM(Xシリーズ)など多くのメーカーが広いラインナップを展開しています。
  • 高級なフルサイズミラーレスはSONYが長らく独占状態でした。現在もトップメーカーです。
  • 2018年にNIKONとCANONがとうとうフルサイズミラーレス市場に参入。一眼レフとフルサイズミラーレスはターゲット層がかぶるため,自社内で市場を食い合うことを嫌いフルサイズミラーレスには手を出していませんでした。しかし一眼レフ市場も近年伸び悩んでおり,フルサイズミラーレスは最後の成長市場ということもあって,苦渋の決断で参入しました。
  • CANON, NIKONはミラーレス機の歴史が浅いがフルサイズの評判は上々。両社とも後発のメリットを生かしボディのフランジバック(※)を小さくした攻めた設計を採用。レンズも最低限必要なラインナップは揃っています。
  • 近年,一眼レフは各社ほぼ新規開発されていないようですので,ミラーレス一眼から選ぶのが良いと思います。

(※)フランジバック:ボディのマウント部分(レンズとの接触部分)とセンサーまでの距離のこと。小さいほどセンサーが傷つくリスクは大きくなりますが,レンズの光学設計が楽になり,より明るいレンズが設計できます。

ボディ編

ボディを選ぶ際に特に注目すべきだと思うものを述べます。

  • センサーサイズ;文字通り光を取り込むセンサーの大きさです。これが最重要のスペックであり,ボディの価格に直結します。センサーサイズが大きいと,高感度に耐えられる(暗いところでも撮影できる),ボケを大きくし被写体を際立たせられる(もちろんボケない写真も撮れます),といった大きいメリットがあります。望遠の撮影ではセンサーサイズが小さい方が望遠で撮れるので有利といった説明が頻繁に見られますがその説明は誤りです。これは,同じ焦点距離のレンズをセンサーサイズが大きいボディと小さいボディに装着したとき,後者の方が望遠になる(換算焦点距離が大きくなる)ことから生じる誤解です。前者で撮った写真をトリミングすると後者で撮った写真と同じになります。センサーサイズが小さい方が良いのは画像ファイルサイズが小さくなること価格が安いことくらいです。
    スマホでは撮れない写真を撮るには,フルサイズの機種を選ぶことを強くお勧めします。必然的に高額になりますが,フルサイズとAPS-Cでは,カメラを普段やっていない人でも一目でわかるくらいの違いがあります。

  • 操作性;ダイヤルやボタンが十分な数あるかが判断ポイントになります。高級機種になるほど多くなります。自分で撮影条件を決めても,設定するのに,メニューを開いて設定画面を開いて,カーソルを移動して設定して……とやっていると面倒です。ダイヤルやボタンが多いと瞬時に意図通りの設定ができます。AUTOで撮るということであればダイヤルやボタンは少なくても問題ありません。
  • 重量;気楽に外に持ち歩ける軽いのが良いですね。高級機になるほど堅牢な設計になり,重くなる傾向があります。
  • 背面モニター;チルトできるかどうか,チルトの可動範囲が十分かが確認ポイントです。チルトは自撮り撮影するなら必要になります。
  • その他よく出てくるスペック
    • 画素数;例えば風景写真をA2サイズくらいに印刷したい(緻密な描写が必要で高画素機が必要)、今はどれを選んでも問題ないと思います。また誤解が多いところなのですが,高画素=ハイスペック機 というわけではありません。センサーサイズが同じ場合,高画素機ほど画素ピッチが小さくなるため,高感度撮影時にノイズがのりやすくなります。ハイエンド機でも画素数を敢えて低く抑えていることがあるのはこのためです。
    • AF方式;スポーツ写真を専門に撮りたいといった特殊用途でない限り,今はどれを選んでも問題ないと思います。 5年くらい前は機種によってはミラーレス機ではAFが遅くて撮影に支障をきたすこともありましたが,最近はAF方式の主流が変わり問題になることはあまりないです。

レンズ編

レンズを選ぶ際に着目すべき点を以下に述べます。

  • マウント
    • レンズとボディの接合部分の規格のこと。マウントが異なるレンズとボティは接続できません。
    • NIKON Fマウント,Zマウント,CANONのEFマウント,RFマウント,SONY Eマウント,Aマウントなどがあります。メーカーによってマウントが異なり,レンズとBODYのメーカーは同じである必要があります。
    • レンズ資産をフル活用するため,最初にメーカーを選ぶと,基本的にはずっと同じメーカーを使い続けます。そのためメーカーに強い愛着が生まれ,異なるメーカーのユーザー同士で摩擦が生じることも。特にNIKONユーザーとCanonユーザーでは醜い争い(“知らなくても困らない知識”にて後述) が繰り広げられてきました。
    • マウントアダプターという,異なるマウントのボディとレンズを接続するアイテムもあります(が,本来の性能を引き出せないのでマウントアダプターありきではあまり使いません)
  • F値;絞りを最も開いた時のF値のこと。開放F値と呼ぶこともあります。小さいほど良い(明るい)レンズで,暗い部屋でも撮影でき,またボケをより大きくできます。F値が小さいほど高額になります。当然ですが,F値が小さいレンズでも絞って(F値を大きくして)撮影することでボケの小さい写真にすることも可能です。
  • 最短撮影距離;ピントを合わせることができるセンサーと被写体の最小距離です。スマホでの撮影ではたいていの被写体にピントを合わせることができるので最短撮影距離を意識することはないと思いますが,一眼カメラのたいていのレンズでは被写体に近すぎるとピントを合わせることができないので注意が必要です。最短撮影距離が(焦点距離にしては)小さくなるように設計された特殊なレンズがあり,そのレンズでは接写が可能となります。そういったレンズをマクロレンズと言います。普段の生活で見ているものでもマクロ撮影をすると全く違った見え方をするので楽しいです。
    マクロ撮影の例
  • 焦点距離;写真内に入る範囲(画角)を決めるパラメータです。焦点距離が小さいほど,画角が大きく,焦点距離が大きいほど画角は小さくなります。

    • ズームレンズよりも単焦点レンズがおすすめ
      レンズの中には,決まった焦点距離でしか撮影できない(ズームできない)ものがあります。そのようなレンズのことを単焦点レンズと呼び,ある焦点距離に特化して設計されているので,美しい描写が得られ,また開放F値も小さくなります。ズームレンズは、どの焦点距離でも”そこそこ”キレイにとれるように設計されているので画質に粗があります。スマホのカメラと一眼カメラのすみ分けを明確するためにも単焦点レンズを強くお勧めします。どのメーカーでも3万円前後の安価な入門用の単焦点レンズがあります。これはいわゆる“撒き餌レンズ” (“知らなくても困らない知識”にて後述) と呼ばれるもので,安価ですが単焦点レンズの美しい描写を体験できるため,お勧めです。
    • 焦点距離(画角)について注意
      • 標準50 mm が人間の日常生活における画角に近く,最初の単焦点の焦点距離として良いと言われることがありますが,スマホのカメラはもっと広角であるため50 mmでは画角が小さいと感じるかもしれません。たとえば,外食して向かいに座った人とテーブルの写真を1枚に納めるには30~40mmくらいの広角である必要があります。
      • 旅行先で近くのものから(広角)遠くのものまで(望遠)1本のレンズで済ませたいのであれば標準ズームレンズが良いです。24~70mmくらいをカバーするズームレンズが一般的。なお一眼のレンズで,光学XX倍という表現はしません(敢えて表現するなら、24-70mmのズームレンズであれば約3倍)。コンデジ(※)であるような ”光学10倍ズーム” のような高倍率なズームレンズは画質が破綻するため一眼用のレンズでは存在しません。
        (※)コンデジ;コンパクトデジカメ。BODYとレンズが一体になっているカメラのこと。

最後に

ボディとレンズそれぞれについて,比較検討する際に着目すべき点を見てきました。基本的にはご自身の用途にあったものを選んで欲しいのですが,ボディについてはフルサイズを,レンズについては単焦点レンズ強くお勧めさせていただきました。

ここまでスペックについて色々言ってきたわけですが,どのカメラが良いかは,最後は触ったときのフィーリングだと思います。気に入ったカメラ(相棒)だと外に持ち出す機会も増えて良いシャッターチャンスに出会える機会も多くなります。

ですので店頭に行って色々なカメラを見て,触ってみて,ビビッときたものにするのが一番だと思います。

本記事が少しでもカメラ選びの参考になれば幸いです。
それでは,良いカメラライフを!!

余談(知らなくても困らない知識)

  • ユーザー同士の争い;最初にメーカーを選ぶと,メーカーによってレンズのマウントが違う(=互換性が基本的にはない)ためずっと同じメーカー製のレンズを買い使い続けることになります。それによって自分が使っているメーカーに愛着を持つようになります。中には歪んだ愛情につながり,他社メーカーのユーザーを,ニコじい,キヤノネットなど呼んで叩く悲しい人が一部存在します。
    • ニコじい;nikonの翁の蔑称。ニコンユーザーは年配の男性が多いというイメージがあるようで、ニコンユーザーを揶揄する呼び名。
    • キヤノネット;キャノンの評判をインターネットで工作する工作員。その昔,キヤノンが自社を盛り立てるために雇ったサクラユーザーに起因する言葉。
  • 撒き餌レンズ;ユーザーをレンズ沼に誘うメーカーの罠。安価で映りの良いレンズで沼へとユーザーを誘う。

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